『コミケ サークルカット』というキーワードで検索してくる人が散見され、これはきっと、サークルカットの作り方を知らず途方に暮れる幼気な娘さん達が、泣きながら助けを求めて流離った痕跡なのだろうなぁ、、、と思った私が一世一代の大仕事としてサークルカットの作り方講座を公開して差し上げますので、娘さん達は服を脱いで整列しつつ、よ~く目を通すように。個室での特別指導も応相談。
今回は、短冊に直接描けない同志チキン野郎諸君の為に、PCでサークルカットを作る方法を紹介致します。この方法なら、直接描くよりもリスクが低いです。
また、トーンを貼った事がない貴姉にも安心な、なんちゃってトーン効果も出せます。
一応、短冊を用いた参加申込書を前提に話を進めていきますが、オンライン申込みの際に投稿するサークルカットも、作り方は同じです。2007.08.20追記:前回(C72夏コミ)申込み時から当サークルもオンライン申込みに移行し、ここで紹介しているサークルカット作成方法で無事に当選しております。
なお、作業にはPhotoshopを使いますので、持っていない方は購入するか代替手段を探すか気合いで何とかして下さい。
2007.08.24追記:記事を加筆修正致しました。
なるべく解りやすいように書いているつもりですが、ご質問やご不明な点がございましたら、お気軽にコメント欄でお尋ね下さい。出来る限り善処させて頂きます。
まずは、サークルカットの枠を用意します。
PCでのサークルカット製作用に作られた枠が公開されていますので、有難くそれを使わせて頂きましょう。
(ちなみに、ダウンロードしたデータをそのまま印刷して、手描きの練習台にしたり、そこに手描きした絵を短冊に貼る、という手もあります)
PSDデータをダウンロードしたら、Photoshopで開いて下さい。
枠線は黒一色なので イメージ → モード → グレースケールに変換し、背景というレイヤー名をダブルクリックして"枠線"というレイヤー名を付け描画モードを乗算にしてレイヤー階層の最上段に置けば準備完了です。

次に、サークルカットとして貼る絵を用意します。
サークルカットの為に新規書き下ろしする場合は良いのですが、私のように遅筆な場合には既成の絵を流用する事になると思います。尤も、これから紹介する一連の作業工程に大差ありませんが。
CGを制作する際に、線画レイヤーと色レイヤーを分けていますか?

きちんと分けている場合には問題有りませんが、分離されていない場合は思わしくない結果となりますので、レイヤー分けされたデータを用意して下さい。
ちなみに、どれくらい思わしくない結果かと申しますと、、、

分離させないと虫喰い線画になってしまいます、、、
更に、このように肌を塗った際に影やハイライトを別レイヤーに分けていた場合は、肌のベースカラーを白に変更する事によって、綺麗なサークルカットを作る事が出来ます。

下に有るのは肌ベースの明度を最大に上げて白くした場合と、白くしなかった場合の比較画像です。

色の調整をしないと、このように肌ベースもトーン化されるので、薄暗い印象のカットになってしまいます。尤も、調整しない方が見栄えの良い場合も有るかも知れません。見た目の印象で判断して調整するかしないかご判断ください。
CG制作の際に、着色レイヤーにマッチさせる為にと線画に色を塗ってある場合には、線画レイヤーを イメージ → 色調補正 → 色相・彩度 → 明度 で黒一色にしておいた方が良いです。薄い色の線はサークルカット用にモノクロ2値化した際に飛んで消えてしまいますからご注意を。

印刷で出力する際は、線画がハッキリとしていた方が映えます。


乗算モードにした枠線レイヤーの下に、カットに採用する画像の線画レイヤーと色レイヤーをShiftキーを押しながらドラッグ&ドロップします。こうすれば線画レイヤーと色レイヤーがピッタリ合わさったままペースト出来るはずです。
なお、カラーデータをドラッグ&ドロップしているのにグレースケールになっているのは、枠線側のモードがグレースケールになっている為ですのでご心配なく。

色レイヤーと線画レイヤーをリンクさせます。こうする事によって移動ツールを使った時に2つのレイヤーが同時に動いてくれるので便利です。リンクを完了したら、この段階で画像の大まかなレイアウトを決定します。
大まかな位置をきめたら、次に ファイル → 新規 で枠線データと同じ大きさである幅992ピクセル・高さ1417ピクセル・解像度600dpiで新規のグレースケールファイルを作成します。
そこにレイアウトの仮決定していた色レイヤーをShiftキーを押しながらドラッグ&ドロップします。

色レイヤーをドラッグ&ドロップした新規ファイルで イメージ → モード → モノクロ2階調 → ハーフトーンスクリーンで色レイヤーをトーンに変換します。

この際に、線数は60line/inchくらいが適当かも知れませんが、絵柄や色の明度によって変わってきますので、色々と試してみて下さい。線数が減れば大雑把なトーンに、線数が増えればキメの細かいトーンになる代わり、印刷の際にトーンが潰れたりモアレが出てしまいます。
それと、トーンの角度を45度に傾けた方が、コミケカタログへの収録時(約63.8%の大きさに縮小して印刷されます)にトーンの目が潰れたりモアレが出たりしにくいようです。
モアレとは点と点、線と線が干渉しあって発生する縞模様の事です。美しくないので、効果として狙う場合以外は発生しないように注意しましょう。

色レイヤーを元にしたトーンが完成しました。このままのモノクロモードではレイヤーの移動などが出来ないので、イメージ → モード → グレースケール でグレースケールに再変換します。判りやすいようにレイヤー名を"色"から"トーン"に変更しておきましょう。

再変換が終わったらトーンレイヤーを枠線レイヤーの有るファイルにShiftキーを押しながらドラッグ&ドロップします。ドロップする位置は色レイヤーと線画レイヤーの間です。

次に、 色レイヤーをトーンレイヤーに変換したように、今度は線画レイヤーを二値化します。
ファイル → 新規 で枠線データと同じ大きさである幅992ピクセル・高さ1417ピクセル・解像度600dpiで新規のグレースケールファイルを作成します。
そこにレイアウトの仮決定していた線画レイヤーをShiftキーを押しながらドラッグ&ドロップします。
イメージ → モード → モノクロ2階調 → 50%を基準に2階調に分ける で2値化してしまいましょう。この際に線画の薄い部分が飛ぶ(消える)ようなら、線画レイヤーを複製しては結合を繰り返し、濃くする必要があります。
線画レイヤーも二値化できたら枠線レイヤーの下にShiftキーを押しながらドラッグ&ドロップします。
二値化された線画とトーンが用意出来たら、その2つのレイヤーを統合して"絵"レイヤーとでも名付けておきましょう。

点の集合体も縮小して見ると、あら不思議。
次に、揃った素材を元にサークルカットとしての体裁を整えます。
このままではサークル名を記入する部分にまで絵がはみ出てしまっていて都合が悪いので、絵レイヤーと枠レイヤーの間に白背景2という新規レイヤーを作り、選択範囲ツールで囲み、白で塗りつぶしましょう。

この際、絵レイヤーのはみ出した部分を消しゴムツール等で消去しないのは、後々になって絵の位置が気に入らなくなって移動させた場合、要らない部分として消してしまった場所が必要になってくるかも知れないからです。

こうならないように気を付けましょう。
白背景2と枠レイヤーの間に、サークル名・活動概要(サークルの傾向や頒布物の告知など)・連絡先(サイトのURLなど)を記入すれば完成です。
当選した場合には、このカットがカタログに収録され、一般参加の方々が絵や活動概要で気になったサークルのサイトをチェックしに来る、というわけです。

最後に イメージ → モード → モノクロ2階調 → 50%を基準に2階調に分ける で全てのレイヤーをモノクロ2値に変換しつつ統合すれば、サークルカットのデータ作りは終了です。オンライン申込みの場合は、PNGに変換しましょう。
オンラインで申込みする場合も、カタログに収録された時の見た目を確認する為に、63.8%縮小したサークルカットをご自宅のプリンターなどで印刷してみる事をお勧めします。カタログに収録されたサークルカットがとんでもない事になっていても、私は責任を持てませんので。
書き忘れていましたが、サークル名が無記入だったり、カットの絵や文面の性的表現が余りにも露骨だったり、印刷に適さない(酷いモアレが出たり、薄すぎて印刷に出ない、など)場合は、書類不備として落選の憂き目に遭いますので、くれぐれもご注意を。
二値化された絵の上に直接文字を書くと、ちょっと読みにくくなってしまう場合があります。
そんな時は文字の周りを白地で縁取りしてあげましょう。

まず、作成したサークルカットの上に頒布物の告知などのアピールしたいメッセージを書きます。
後ろの絵と被さってしまい文字が読みにくくなっているのがお判りでしょうか?

文字以外のレイヤーを非表示にして 選択範囲 → 色域指定 で文字の形で選択範囲を作ります。
次に 選択範囲 → 選択範囲を変更 → 拡張 で10~15ピクセルほど選択範囲を広げます。
拡張が終わったら文字の下に新規レイヤーを作り、選択範囲を白で塗り潰します。

これで見やすくなったかと思います。
これの応用で、文字の色を白にして黒で縁取りすれば簡単に白抜き文字が作れます。

アナログだと大変な作業もデジタルなら簡単です。
そんなこんなで、今回(2007冬コミ向け)作成したサークルカットが、これです。

次に、作成したサークルカットを印刷し、申込書類の短冊に貼り込みます。
意外と此処で書類不備が発生しやすいようなので、念入りに作業しましょう。
まずは、横9センチ・縦13センチの新規ファイルを作成します。後に画像の拡大・縮小を行うので、画像モードはグレースケールを選択します。
作成した新規ファイルに、前回作成したサークルカットを4枚並べてペーストします。

こうやって複数枚のサークルカットを一度に印刷出来るようにしておけば、カッティングや貼り込みでミスしても替わりが有るので安心です。
1つだけ小さいのは、カタログ収録時のサイズである63.8%に縮小したものです。このサイズに縮小してもサークル名や活動概要が読めますか?モアレは出ていませんか?
もし、縮小したカットに問題があるようなら、カラー画像のモノクロ化の段階に戻って修正しましょう。
ここまでの作業が完了したら、 イメージ → モード → モノクロ2階調 → 50%を基準に2階調に分ける で2値化しましょう。
次に印刷です。
ご自分の制作環境や身近にレーザープリンターを所有しておられる方が居る場合は、そのまま印刷してカッティング作業に入れますので、この項は飛ばして結構です。
インクジェットプリンターなどで印刷する場合、一度印刷したものをコンビニなどでモノクロコピーする必要があります。これは、インクジェットプリンターのインクが耐候性の面で不安がある為です。過去に、申込みからカタログ製版までの数ヶ月で退色や変色してしまい書類不備となってしまった事例もあるようなのでご注意下さい。顔料系インクなら大丈夫かも知れませんが、不安が残るようでしたら、コンビニでコピーしてきましょう。また、感熱紙も変色しやすいので避けましょう。
印刷出来たら、カッティングです。
定規を宛がい、よく切れるカッターで丁寧に切り取りましょう。この際に、左上の正方形の枠部分を切除しておく事を忘れずに!(短冊の、この部分に文字や絵が描かれていたり、上からトーンや紙が貼られていたりすると、全て書類不備で失格になります。)

カッティングが終わったら、サークルカットの断面を水性ペンなどで黒く塗ります。これは、カットを短冊に貼った際に、紙の断面を目立たなくさせる為です。この際、油性ペンなどの滲みやすいものは避けましょう。あっという間にインクが枠線を超えてカット内に浸食します。
いよいよ短冊に貼り込みます。短冊は1冊の申込みセットに2枚しか付属していませんので、失敗しないよう気合いを入れて挑んで下さい。
カットを貼る前に、切取線に沿って短冊を切っておいた方が作業が楽です。短冊への記入は切り取る前の方が楽ですので、先に必要事項を漏れなく記入しておきましょう。
切り取る際に、短冊側に切取線を残さないよう綺麗に切るのが当選の秘訣、と此の世界の先輩が申しておりました。抽選は熾烈な争いです。やって損の無い事は何でもやってみましょう。良い仕事というのは全て単純な作業の堅実な積み重ね、らしいですよ?
サークルカットの裏面にスティック糊の強力タイプを満遍なく塗りましょう。通常のスティック糊は剥がれやすく、また、液状の糊は紙がフニャフニャになってしまうので避けましょう。
短冊に貼ってしまったら、位置の修正は数秒で不可能になります。素早く、確実に位置合わせをしましょう。位置をずらす時には人差し指と中指と薬指とでサークルカット全体を押さえるようにして動かさないと、一点に力が加わって皺が出来たりしますのでご注意を。
糊が乾いたら、貼り込んだサークルカットの断面が白く目立っていないか確認しましょう。目立っている部分は細いロットリングペンなどで丁寧に補修します。
最後に、もう一度短冊と申込用紙の記入欄を一通りチェックして下さい。
書類選考スタッフの千里眼を欺くなど不可能です。申込みセットに付属しているコミケットマニュアルに要注意事項として明記されている点で1つでも該当していれば、間違いなく落選してしまいます。
以上、短冊に直接描けない同志チキン野郎諸君に捧げる特別企画『サークルカットの作り方』でした。べ、別にアンタの為にやったんじゃないんだからねっ!!
では、幸運を。
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